学校、受験、TOEICで学んだ英語の勉強がなぜ実際の外国人との会話で役に立たないのか・・・

最近は小学校から英語の授業があるそうですが、多くの人が中学校から学校で英語の授業を受けてきたと思います。そして、人によっては塾にもいって英語の勉強をしてきたことでしょう。 学校の定期テスト、高校受験、大学受験で高得点を取るために・・・
しかし、その英語の勉強が大人になってから外国人との英会話に役に立ってるのでしょうか?

学校、受験、TOEICで学んだ英語が実際の外国人との会話で役に立たない理由 その1

リスニングに費やす時間が圧倒的に少ない

学校の定期テストでリスニングの試験を受けたことがありますか? 高校受験や大学受験であれば、リスニングの試験はあるかもしれませんが、ほとんどがリーディング、文法、熟語や語彙力をつける勉強だったと思います。しかもそのリスニングの試験で話される英語は、まったくクセのないきれいな標準語であり、実際のネイティブの外国人が話す英語とは以下の点でかけ離れています。

ネイティブの英語は、
・スピードが桁違いに早い
・スラングが入っている。
・リンキングしている(単語と単語がつながっている)
・地域によって(アメリカ、イギリス、オーストリア、カナダ、第二言語として英語を流暢に話すヨーロッパの国々、シンガポール、マレーシア等)発音が異なる

一流大学と言われる受験英語で難問が解けても、TOIECで高得点をとっても、生のネイティブスピーカーの英語を理解できないのはこの乖離に起因します。
仮に12歳から18歳まで6年間も英語を学んでも、リスニングに費やす時間が圧倒的に少なく、その質においても実際の英会話との乖離がこれだけ大きければ、ネイティブの外国人の英語が理解できるわけがないですね。

学校、受験、TOEICで学んだ英語が実際の外国人との会話で役に立たない理由 その2

文法中心の英語学習

学校や受験の英語は、文法に相当傾倒しています。be動詞、過去分詞、現在完了、時制、仮定法、、、と言語の形態を細かく細分化し、言語的な規則やルールを事細かに習得することが目的となっており、それを理解しなければ高得点が取れません。

しかし、実際の会話ではそんな細かいことは気にする必要はありません。もちろん正しいことに越したことはないですが、この知識の詰め込みにより正しく話そうと意識してしまい目の前の外国人に対して発言することを躊躇してしまうという現象に陥ります。実際の会話ではいちいち頭で正しい文法で文章を組み立てている時間はありません。仮に話し相手がゆっくり待ってくれたとしても、会話の中で大事な会話の間はかなり悪くなってしまいテンポのない会話となります。

会話中心の能力が問われるとされるTOEICでさえ、リーディングの問題の多くに文法問題が含まれています。

学校、受験、TOEICで学んだ英語が実際の外国人との会話で役に立たない理由 その3

語彙、単語の選択が日常で使うものと乖離している

受験における必須単語は、●語以上でそれらを単語帳で網羅する、TOEICで高得点をとるための必須の単語を覚える。 など、受験やTOEICで高得点をとるために英単語をかたっぱしから記憶するという勉強が確立していますが、それらは日常会話で必要となる身近な単語と乖離があります。 

たとえば、
deteriorate(ディティリアレイト)=悪化する、低下する、
elaborate(イラボレイト)=詳細に説明する、精巧に作り上げる
perplex(パープレックス)=困惑させる、混乱させる

などの単語は、大学受験では必須の単語ですが、こんな難しい単語は日常会話でまず使いません。
「悪化する」なら、get worse 、「説明する」も explain よりも walk through give more detail の方がやわらかく日常的な言い回しとなりますし、「困惑させる」と言いたいときも confuseやpazzleの方が会話では自然です。

それらの簡単な単語が頭で考えずに咄嗟に発語できることの方が大事なのに、難しい単語をたくさん覚えてしまっては、会話する時に選択肢が多くなりすぎて頭の中で考える時間が長くなってしまいます。

学校、受験、TOEICで学んだ英語が実際の外国人との会話で役に立たない理由 その4

試験の選択方式は会話の日常会話と思考回路が全く異なる

受験やTOEICの受験では、解答がほぼ選択方式ですね。正しい回答を導くコツとしてどうしても消去法で解答を選んでいませんか? 確信をもって、ある回答を選択できることの方が少なく、たいていはAとDはないから、BかCかな~っと絞り込んた上に、最終回答をBとする、、といったプロセスで解答を導くことが自然だと思います。

考えればわかることですが、この思考回路は実際の会話として発言するときの文章選びとまったくかけ離れていており、この思考回路がむしろ邪魔をしてしまいます。スピーキングやリスニングはもっと直感的なものです。

学校、受験、TOEICで学んだ英語が実際の外国人との会話で役に立たない理由 その5

スピーキング力はシチュエーションと紐づかなければいけない

学校では教科書の文章を音読する機会があるかもしれませんが、それは会話上のスピーキングではありません。そしてそもそも受験やTOEICではスピーキングの試験がありません。英検ではスピーキングの試験がありますが、その会話は、緊張する試験会場の中で試験官との会話です。そして、試験の内容は、自己紹介に始まり、週末に何をしているか等の質疑応答、写真やイラストを使ってそれに沿った質疑応答などです。
自己紹介は事前に準備できるものですし、試験形式が決まっているのである程度準備できてしまうので、この場で話せる会話力と実際の日常で咄嗟に発語できる能力とは相当な差があります。
英検のスピーキング試験の試験官は日本人ですし、学校でALTの授業は週に1~2回程度です。しかもその授業は1対1ではありませんので、実際に一人の生徒が外国人に話す機会は月に数回あればいい方ではないでしょうか?

実際の会話のシチュエーションでは、現在の起こってる目の前の事象のみだけでなく、過去の思い出話しや出来事、オチのある笑い話、未来の夢や予定など、絡んでますので時制は現在に限りません。さらに料理しながら、一緒に歩きながら、スポーツをしながら、食事をしながらなど、身体の動きと連動しますので、面接官と互いに着席した状態の会話のようなシチュエーションは実際の日常ではほぼありません。

発語している言葉と実際自分が対峙しているシチュエーションとが一致した上でアウトプットを繰り返さなければ脳の中でシチュエーションと言葉が紐づけられません。学校の授業でいくら音読しても実際のシチュエーションで発語できるようになりません。

学校、受験、TOEICで学んだ英語が実際の外国人との会話で役に立たない理由 その6

外国人を目の前に圧倒されてしまう

日本は島国で、外国人に出会う機会が少ないです。主要な観光地であれば、外国人観光客を多くみかけますが、見るのと話すのとでは人間が実際に受けるプレッシャーは全然違います。欧米人は背が高い人も多いですし、日本人はどこか外国人に怖気づいてしまう気質がありますね。

学校での外国人によるALTの授業でネイティブの英語に接していても目の前で1対1で会話できる時間が学生時代にいったい何分あるでしょうか?また、英会話学校に通っている方は、毎週出会う外国人はたいていいつも同じ人ですよね?その人とお近づきになれば、会って話すという上でのプレッシャーはすぐになくなりますが、他の外国人と話すときに同じ精神状態で話せるでしょうか?

英会話アプリでスピーキングの練習をしたとしても、所詮相手はAIです。オンライン英会話だとしても話しているのは画面の中にいる外国人ですし、毎度変わる相手と話す内容は、薄っぺらい会話に過ぎないのではないでしょうか?

これらの英語学習が、実際の外国人を目の前にしたときに自然に英語を発語できる能力とどれだけ直結しているのか、疑問が残ります。

学校、受験、TOEICで学んだ英語が実際の外国人との会話で役に立たない理由 その7

実際、国際的な舞台で耳にする英語は千差万別

いわゆるネイティブスピーカーと言われるのは、主要な国として英国、米国、オーストリア、ニュージーランド、アイルランド、カナダ。この国々の中でも発音やイントネーションが異なり、さらにその国の中でも地域によって発音が全然違います。例えば、英国でもスコットランド人の英語とイングランドの方の英語は違いますし、オーストリアでもパースなど地域性が強く、さらに言えば黒人も特有の発音をします。

さらに言えば、第二言語で英語を話す外国人を話す外国人もたくさんいます。 世界的な統計で言えば、ネイティブスピーカーの数は約 3.7億人と言われていますが、第二言語として英語を話す人は、その倍である約 7億5,000万人と言われています。

実際、ヨーロッパのドイツ、フィンランド、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ベルギー、スイス、インド、フィリピン、シンガポール、マレーシアの人で、大学をでているような一定のアッパー層であれば、ほぼネイティブと変わらない感覚で英語を話します。そして、その国々によって発音の特徴があります。

7億人以上の人が英語を話す世の中で、TOEICなどきれいな標準語だけを聞き取れても、これだけの多様な外国人と躊躇なく会話ができるでしょうか?


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